まずはチュニスのメディナに行ってみる。
メディナとは、アラブ人が北アフリカに入ってきたときにつくった古い街のことを言う。狭い、あちこちで枝分かれした道が続き、人々でごったがえす。両側には日用雑貨、革製品、貴金属、香辛料、食料品、食堂、おまけにお土産物屋、その他様々な店が続き、裏道に入れば、メディナに暮らす人々の生活がまさにそこにあったりして、マグレブの旅には当然欠かせない。
ハビブ・ブルギバ通りを西へそのまままっすぐ歩くと、市電が通る独立広場を経て、そのままフランス門。メディナの東の入り口となる。 どこからか香辛料のにおいが漂ってくる。歩いていると、ジャポン?
ジャッキ・シェン?(ジャッキー・チェーンのこと)、カラテ?とか、あちこちから声がかかるのも、久しぶりでなんとなく楽しい。ただし、荷物を載せたロバが狭い道を歩いていないのが、ちょっと寂しいかなぁ。
グラン・モスク近くまで歩いていくと、景色が良いテラスまで連れていく、という勝手な案内人がいたりして、例によってちょっとうざったい。一度何も持っていないときに、連れていってもらったけれど、
報酬を要求したかった彼は、カメラも何も取りだそうとしない私をいぶかしげに眺め、最後にちょっとくらいお礼をしておくかと、私が差し出したわずかなコインを目の前にがっかりしたよう。本当に他に持ってないんだってば。ちょっと声をかける人を間違えたんじゃないの?ああ、でも何も持っていないと言った手前、そこからの眺めは写真を取り損ねてしまったなぁ。
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