第一次世界大戦の直接の引き金になったのは、オーストリア皇帝フェルディナント大公がサラエボで暗殺されたことだ、と世界史の教科書にもあったことくらいは覚えている。そのフェルディナントの妻はチェコ人で、その妻と多くの時間を過ごしたのがプラハとターボルのちょうど真ん中くらいにあるコノピシュツェ城だ。ボヘミアには他にもカレルシュタインだとか有名な城があるけれど、今回はコノピシュツェ城に行ってみた。
プラハから足を延ばす人が多そうだけど、私はターボルから。列車に乗って1時間弱、ターボルと同じくらいのどかな雰囲気と時間が流れるベネショフ(Benesvov)
が最寄り駅だ。ここから何もない(送電線だけ見えるような)農地をしばらく眺めながら、そして林の中の近道を20分ちょっとくらい歩くとようやく目的地。本当に森の中の城なので直前までどこにあるのか分からなくてちょっと不安になる。きっと多くの観光客はバスツアーだったりするから入ってくるところも違うみたいだし。
外観は特に規模が大きくて堂々としてるというのでも美しい、というのでもなく、貴族の別荘といった雰囲気の方が強いけれど、ガイド付きでまわる内部がやっぱりすごかった。すごいって、内装や家具が、っていうのではなくて、無類の狩猟好きだったというフェルディナントの狩った獲物の頭部の剥製が壁という壁にぎっしりと飾られているのが。牡鹿やら、なんだか怒った顔をしたキツネやら、このへん(ボヘミア)だけでなく、どこか外国へ出かけたとに仕留めたらしい猛獣の剥製に...
ここまでくると圧倒されてしまうねえ。今だったら動物愛護団体も真っ青ってところかな。まあ実際に見れば凄いと感じると思うよ。このような城館では内部の見学をするのに、ほとんどの場合ガイド付きでまわらないと入れてもらえないのだけど、ここではうまくタイミングがあわずギリシャ人の団体さんにくっついてまわることに。ガイドが英語で説明するのを添乗員らしき人がギリシャ語に通訳して団体さんに説明するのだけど、コノピシュツェのガイドは、その添乗員にだけ説明すればいい気分で大きな声で話してくれないものだから、ずーっと近くにくっついていないといけないハメになってしまった。
でもボヘミアの森の中から見上げる青空も素敵だった。さて、またそろそろプラハに戻ることにしようか。
Photo: Konopisvtev
Castle , Sep/97
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