チェスケー・ブディヨヴィチェの街からバスに揺られてボヘミアの大地を眺めながら15分くらいのところにフルボカー(Hluboka'
nad Vltavou)という小さな街がある。バスで11コルナ。ここらへんのバスは乗車するときに運転手の人に行き先を言って切符を買えば(というかレシートをもらえば)いいようになってる。バスターミナルへ行くと国内外、ほんとにいろいろな所まで路線があるんだなあ、行ってみたいなあ、という気にさせられる。
さて、そのフルボカーは深い緑の森に被われた丘のふもとの静かな、そしてのどかな街。その丘の上にチェコで一番美しいと言われる(確かにチューダー・ゴシック様式の整った姿は美しかったけれど)城館がある。庭もきれいだし、青空をバックに庭園からこの城館を眺めていると逆にここはチェコなんだろうか、っていう気分にもなってくる。ボヘミアの歴代王家が所有し、後にシュワルツェンベルク家のものになったという、まあこんなのどかな所にも貴族の莫大な財力の一端が見て取れるんだね。今はただ美しい建築も美しい内部の装飾も、感心するだけだけど。
再び門を出て丘を下る道を歩いていくと、やっぱりそこには森と草原が広がり、沼が散在するのどかな ボヘミアの大地の光景が広がっていた。
Photo: Za'mek
Hluboka' , Sep/97
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