庭園めぐり、と言っても庭園だけを目指して一日歩いたなんて日はない。でも、あちこちぶらぶらしてちょっと疲れたなあ、という時にカフェでコーヒーや時には昼間からビールなんか飲んでいるのもいいけれど、緑の美しい庭園か何かのベンチで10分や20分、ときには1時間(?)過ごすのもいいものだ。
一番庭の手入れが行き届いていて、特に天気の良い日にはすがすがしい気分になれるのは、プラハ城のすぐ北側にある王宮庭園だ。16世紀にフェルディナント1世が造った庭園だというが、プラハ城のすぐ隣の庭園入口からベルヴェデーレ宮殿までの、花壇あり、青々した芝生あり、木々茂る木かげ道があり噴水あり、というちょっと長細い庭園ではあるが、のんびり散策するのにはもってこい。ベルヴェデーレ宮殿あたりからちょうど南西側に見える聖ヴィート大聖堂の姿もまた絵になる美しさだと思う。実は何千本ものチューリップが植えられているとかで、だったら今度はぜひそれが咲き揃う春にも訪れてみたいなあ、と思う。もともと私は木漏れ日のこぼれる道をのんびり歩くのが大好き。この庭園は、疎林中を貫くかなり長い道があったりして晴れの日はとっても気持ちが良かった。ということでちょっと時間があるとヴィート大聖堂とともにこの庭園を訪れるのだった。もっとも月曜日は休園日なのでプラハを発つ前の日に入ることができなかったのがちょっと残念だったけれど。
プラハ城下、マラ・ストラナの中で有名な庭園とくればワルトシュタイン庭園だ。フェルディナント2世に寵愛されたが自らボヘミア王を名乗るほどに顕示欲が強かったため王の命によって殺害されたという、ワルトシュタイン伯爵がつくった大がかりな宮殿内の庭園だが、優雅な噴水や銅像がいくつもたっている。この中をのんびり歩いてると、クジャクが数羽(?...
私が見かけたのは3羽だったけれど)放し飼いされているのを見かけたりして驚かされた。あとは、庭園の壁面になんでこんなところに、と思わせるような鍾乳洞を模した装飾があったり、広い池があったり、多くの建築物の建てこんだ所にあるとは思わせない、いろいろと面白い発見のある庭園だった。
Photo: Kra'lovska'
Zahrada / Valdsvtejnska' Zahrada, Sep/97 by Ho-Ho
(王宮庭園 / ワルトシュタイン庭園)