ヨーロッパの街へいくと必ず市街の中心には広々とした広場があって、観光客を含めて様々な人がやってきて、広場のベンチやあるいはテーブルを出したカフェで休んで、またどこかへ、というような光景が繰り返されている。古くからの街の中心は旧市街広場。ほとんどの場合市庁舎があって、教会があって、あと観光客の密度が高いから物売りがいたりする。どこへ行ってもちょっとした規模の街なら同じような感じであるのだけど、街歩きをするときには、広場がないとなんとなく落ち着かない。どこをどう歩いても必ず戻ってこれる、それがヨーロッパの旧市街の広場だ。
チェコ語でナーメスティ(?) (na'mevsti')が広場。私がよく利用していたホテルの最寄りのトラムの停留所もアルベソヴォ・ナーメスティとかいって小さな広場(昼間は小さなマーケットだけはたつ)の近くだった。さて、プラハの広場といえばまずは旧市街広場(Staromevstske'
Na'm.)。もっとも迷わないでたどりつく方法はチェフ橋からのまっすぐの通りそのままいけばつきあたりが旧市街広場だけれど、まあカレル橋からカレル通りを通って左に折れて旧市庁舎のところに出てくるところが観光ルートかなあ。毎時、旧市庁舎の天文時計と呼ばれる精巧な仕掛け時計の前はそれを見物する観光客で大変な人だかりだ。
広場の北東側にはチェコの宗教改革者、ヤン・フスの記念碑がある。(このへんの宗教史については旅行行ってにわか勉強させてもらえたかな)ルターのさらに前の時代に信念を貫いて殉教した宗教改革者の像の前の数段の階段は私も含めて多くの旅行者の一休みの場所。ここからのんびり広場の様子を眺めているのもけっこう楽しい。ともかくこの広場、東側には高い2つの尖塔を持つティーン教会が立ち、北西の一角には中でパイプオルガンの演奏でも聞いたらゾクゾクするような聖ニコラス教会、南側には現在はレストラン、カフェやお店が並んでにぎやかだが、美しい装飾を施した建物が並んで楽しい。あ、スロープような階段を登って旧市庁舎の塔の上から旧市街広場を見下ろすのもいいね。
旧市街をぼーっと歩いてたりするといつの間にかちょっと雰囲気の違うひときわにぎやかなところに出てきてしまったりする。そこは新市街のヴァーツラフ広場(Va'clavske'
Na'm.)。広場といっても広い通りといった趣だけど広場の一番南東の突き当たりに巨大な国立博物館の姿とその前の馬上の聖ヴァーツラフ像をのぞむ光景は印象的だ。広場の建物はみな18世紀から今世紀にかけて建築されたものということでアールヌーボー様式がとられてるものが多い。両側はレストランやホテルやその他様々なお店が並ぶにぎやかな商業ゾーンでもある。マクドナルドもあるけど、少なくともブダペストやプラハには何故か多い、大きくてお洒落なやつはここではなくてヴァーツラフ通りと交わるヴォディチュコヴァ(Vodicvkova)にあるけどね。国立博物館は主に自然史博物館といった趣きでチェコの動植物や鉱物やその他様々なものが展示されていて巨大なクジラの骨格とか見るだけでも十分すごいとは思うけれど、この手の展示はせめて英語の説明がないとなあ、ちょっと辛いかも。
Photo: From
the top; Staromevstske' Na'm., Pomni'k Jana
Husa , Va'clavske' Na'm., Sep/97 by Ho-Ho
(上から:旧市庁舎塔からの旧市街広場、ヤン・フス記念碑、国立博物館から見たヴァーツラフ広場)