カウナスは 15世紀半ばにハンザ同盟の代表部が設けられ商業都市として発展した他、2つの大戦間、ヴィリニュスがポーランドに占領されていた間首都が置かれていた街である。そしてかつて日本の領事館がこの地に置かれ、当時の副領事、杉原氏が多くのユダヤ人たちにヴィザを発給して彼らの命を救ったことも「シンドラーのリスト」とあわせようやく近年になってクローズアップされたりした。一応行ってみたよ、昔の領事館にも。今は一般の民家みたいだけど杉原氏のことを記したプレートがかかっていた。
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新市街、昼下がりのライスヴェス通り |
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カウナスの市街の中心はひたすら長く伸びる一本の通り。新市街の聖ミカエル教会からは旧市街にむけてひたすらライスヴェス通りを歩く。昼間はにぎやかな並木道である。旧市街近くでヴィリニャウス通りと名前を変え石畳の通りはロトゥシェス広場に続く。両側にはきれいな建物が続く。街全体は確かに明るくきれいで落ち着いた感じ。昼間は人通りが多くてにぎやかなんだけどお店の種類がなんとなく限られた感じでちょっと寂しい気がする。それでも、ライスヴェス通りでは新しくお金持ちが入りそうな洋服店が開店したり、オーストリア航空の就航記念セレモニーをやっていたり、道を行く人達の見る目もやっぱり西欧を向いてるのかなあ、という気がする。
なんとなく物足りない気分がしていることの一つに、ヨーロッパへくれば必ず一日中美術館へ入り浸っていることがあるのに今回はそういうこともないということがあるかもしれない。カウナスではひとつチュルリョーニス美術館に行ってみた。リトアニアが誇る画家でもあり作曲家でもあるという。確かにかなり広いリスニングルームがあって彼の作曲した交響曲がかかっていた。絵の方はまあ幻想的というか見た目には受け入れやすいものだった。
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旧市街のヴィリニャウス通り。 | |
カウナスはネリス川とネムナス川の合流地点にできた街。そういう意味で言うとすぐドイツとオーストリアの国境のパッサウを思い出すけどやっぱり雰囲気はちょっと違うなあ。まあ、パッサウの方が観光客ははるかに多いけど。
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