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夜明けの門。もともと城門は9つあったが今はただ一つのみ残っている。内部は礼拝所になっている。駅から来ると街への入口。 |
カウナスに二泊した後再びバスでヴィリニュスに戻る。ヴィリニュスはリトアニアの首都。カウナスの長い一本道とは違って至る所に迷路のような小道がある。聞けば、ヴィリニュスの古い街並みは世界遺産に登録されているとか。そう言えば街を歩いていたらユネスコのプレートが出ている建物があったような気がする。そして、ヴィリニュスでは黄色・緑・赤のリトアニアの国旗がたくさん目についた。もう6年前になる。独立をめざしていたリトアニアのこのヴィリニュスのTV塔他を旧ソ連軍が占拠、一般市民に死傷者が出たあのころの面影は今はもう金色に輝く国会議事堂の片隅にひっそりと残された分厚いコンクリートバリケードくらいしかすぐには見つからないが、それでもそのコンクリートバリケードを見ると何とも言えない感情に身が引き締まる思いをした。確かにここで流血の惨事があったのだ。夏の終わりの日が傾きかけ、ちょうど冷たい風が吹いてきた。無意識に私は手をあわせていた。
街自体は森の中にある街といった趣きでたいへん居心地が良かった。駅からはまず「夜明けの門」をくぐりぬけ数々の教会を左右に見ながら夜明けの門の通りを下っていく。通りはディジョイ通り、ヴィリニュス大学の学生をたくさんみかけて賑やかなピリエス通りと名前を変え、たどりつくのはカテドロス広場の大聖堂と鐘楼。リトアニアのカトリックのシンボルでもあるこの大聖堂だが、旧ソ連時代には抑圧下、美術ギャラリーとしか使われなかったというが今は敬謙な信者の信仰の場所として復活している。
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カテドロス広場の大聖堂 |
丘の上にあるゲディミナス塔からの眺めは素敵だった。ヴィリニュスの駅からはずっと旧市街に向かって下り坂になっているため、駅からは何の教会の塔も見えない。でも、旧市街側から見ると駅の方に向かってゆるやかな登り坂の木々の間に教会とかが見えて渋い感じが素敵である。また逆に夜はこの塔の上の国旗掲揚塔がライトアップされ、下からは小さくリトアニアの国旗がライトに照らされてはためいているのが見えて印象的だった。
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リトアニア国会議事堂の敷地の一角に残されているコンクリートのバリケード
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