バルトへの旅Visting Baltic Countries



5.リガ旧市街を歩く

の晩は、どうも意外に多くなさそうな(単に見つからなかっただけだが)レストランのうちの一つに入りこみ、食事にした。残念ながらいつもメニューの記録をつけてないもので、なんていうメニューを注文したかもう忘れてしまったが、肉とジャガイモを使った料理が一般的なメニューという感じ。そういう意味ではドイツみたいだけどね。あとはビール。それから、ここだけでなく後々いろいろなところで食事をして印象深かったのは生野菜のサラダを頼むとよく長ねぎ(だよなあ、どう考えても)を刻んだものが、キャベツやレタス、きゅうりやにんじんと同じように入っていたこと。まあ、野菜には違いないけど。夜は、少々疲れたこともあって早めに眠った。

Old town from St. Peter
聖ペテロ教会からみた旧市街。正面に見えるのは大聖堂。その向こうにダウガワ川

翌朝起きると天気は曇り、ホテルの廊下の窓から見える聖ペテロ教会の尖塔の見晴台らしきところには、もう既に観光客らしき人影が見える。外へ出るとけっこう寒かった。通りのお店でパンなど買って朝食代わりにした後、昨日入れなかった教会へとまずは足をむける。まず、宿から一番近い件の聖ペテロ教会。元はカトリックの教会として1209年に建てられたものだが、後にルター派の教会に変わったもの。内部はシンプルである。静かな教会の中で気持ちを落ち着けてから、古いエレベーターで尖塔の上までのぼった。風が冷たく思わず身震いしたほどだったが、リガの旧市街と、ダウガワ川。そして、その橋の上を本当にゆっくり走ってくる列車の姿がある。上から観ると、リガの旧市街もそれほど広い範囲というわけでもなく、また街並みは美しいというよりは渋いという感じ。しばらくリガの街並みと街をつつむ森が遠くまで続く風景を瞼におさめた後下に降り、街の散策を再開した。

DOM
裏手からみた大聖堂
その後は、リガの歴史が美しいステンドグラスになっている大聖堂やら、聖ヤコブ教会に城壁の跡、今は大統領の公邸になっているリガ城、「三兄弟」の家(リガの旧市街の古い住宅で、異なる3つの時期に建築様式で並んで建っている)など、特にそこへ行こうというつもりはなくともぶらぶらしているうちにたどり着く。

それからにぎやかなヴァリニュ通りをお店を眺めながらのんびりと歩く。デパートらしき建物があり、中に入ってみるが、商品の数はそれなりにあるものの、まあ日本や西欧ほどの商品の幅はなかった。あまり華やかって感じでもなかったし。そんな感じで一日つぶしたので、けっこうガイドブックに書いてあるような場所には行き損ねたけれども、ゆったりした時間の中を過ごすことができた。

6.ちょっとスィグルダへ

朝起きたらもう10時前だった、まずリガ駅まで行きヴィリニュスまでの夜行のチケットを買う。切符にはラトビアに来て初めて見るロシア文字も記されていた。寝台料金合わせて7.37Ls。実はこれには毛布を借りる料金が含まれていなかったのだが。

さて、夜行は押さえた。またリガ市内をうろうろしていても良かったのだが、ちょっと外へ足を伸ばすことにした。近郊の観光地といえばユールマラの海岸か反対に内陸の森林が広がる地方へ行くか、らしいが私はもう8月の下旬だし海行っても寒いかなあと思い後者を選択。リガ駅の長距離列車用の入口と並んで手前にある近郊路線用の入口をくぐり列車の時刻を確認し、スィグルダへの切符を買う。こちらの切符はただのレシートに金額が記されているだけ。0.53Ls。そう言えば、リガ駅のコインロッカーの使い方が最初分からず、再び開くときに必要な暗証番号を覚えずに閉めてしまったため受付けの無愛想なおばさんを呼ばないといけないはめになった。

スィグルダへはローカル線で約1時間半。列車はずっと森林の中を走っていく。途中、地元の子供達がたくさん乗ってきてにぎやかだった。

View from the Turaida
トゥライダ城の塔の上より
駅前には特に何もなく、取り敢えず峡谷を越えるロープウェイがあるというのでそこをのんびりめざす。ロープウェイの駅にたどり着くと数人の先客が待っていた。ロープウェイといっても山を登るようなのではなくてただ森林に被われたゆるやかな谷を渡るだけでのんびりしたもの。向こう側につくとハイキングコースがあるので久しぶりにちょっとばかり歩く。めざすはロープウェイから遠くに見えたトゥライダ城。途中に洞窟などがある。散策している人はほとんどみかけない。

トゥライダ城は小高い山の上にある。歩いてきたハイキングコースは途中でなくなってしまい車道を歩くしかなくなってちょっと残念だったが、最後に再び裏側から小道を登るとそこである。赤レンガの城が青い空に映えて美しい。ここには民俗博物館があり、この地の歴史的な資料が目で見て分かる。そして塔の上からは回りに広がる森林を見渡せる。まあ特別凄い!というような景色でもないけれど気分を穏やかなものにしてくれる。

トゥライダ地区から再びスィグルダの駅までは村営バスで。かなり列車を待ったが日の沈む8時すぎくらいまでにはリガに戻ってきた。



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