山と森と川と . . . ドイツ・オーストリア・ハンガリー紀行
----- 1992年、二度目のヨーロッパ歩き
レーゲンスブルク、ヴァルハラ神殿から見るバイエルンの田園風景
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「ドナウの旅人」を読んだら、レーゲンスブルクの街から少し下流にあるヴァルハラの神殿ははずせない。ドナウ川沿いの緑で覆われた小高い丘の上。ルートヴィヒ一世が建てたその白い神殿を見るためにではなく、神殿から見て右から左に静かに流れるドナウと、その向こうに広がる田園風景を眺めたかったから。あの小説の中では印象的な舞台設定だったものね。
レーゲンスブルクを流れるドナウ河岸に遊覧船乗り場がある。早速、ヴァルハラ神殿へ向かう船に乗った。ところが、ヴァルハラ行きかと思っていたら、単に経由地だったらしい。誰も降りないから、見事に降り損ねてしまった。どうりで、船に乗っている他の観光客たちは、ヴァルハラまでそんなに時間がかからないはずなのに、のんびり食事したりビール飲んでたりしてると思った。別にヴァルハラへ行くのではなく、クルージングを楽しんでいただけなのね。 たまたま同じように降り損ねたという素敵な日本人の姉妹がいて、結局さらにちょっと下流までいった船が再度戻ってヴァルハラの前で停船したときに彼女たちと一緒に下船する。他に降りる人はやっぱりいなかった。もう帰りの船はないとのことだったが、レーゲンスブルクの街へはバスがあると聞いて降りたのだった。 降りたら、急に雲行きがおかしくなる。真っ暗になって30分ほどものすごい雷雨に。それでも神殿のあたりまで登った頃には晴れてきて、それだけにそこから見下ろすドナウの流れの景色にはけっこう感激した。 |
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