山と森と川と . . . ドイツ・オーストリア・ハンガリー紀行
----- 1992年、二度目のヨーロッパ歩き
北ドイツの街をいくつか見た後は、ハノーファーからドイツの新幹線、ICE(イーツェーエー: Inter City Express)に乗って一気に南下。途中、ヴュルツブルクあたりで降りようかと思ったけれど、結局ニュルンベルクまでやってくる。ニュルンベルクの... とくれば、まずワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を思い浮かべるかな。ニュルンベルクと聞いて頭の中にやっぱり自然とその歌劇の第一幕への前奏曲が響いてしまう。ワーグナーの中では唯一明るい素材を扱った歌劇だけど、オーケストレーションは祝祭的な一方やっぱり重厚なわけで、訪れたニュルンベルクの街もやっぱり黒ずんだ煉瓦色の屋根の家々が続く重厚な、そして落ち着いた雰囲気を持った街並みだった。 そして宮本輝の「ドナウの旅人」で、麻沙子がかつて暮らし、そしてシギィと再会するのがこの街だ。それから、突然家を出た母親を追う、ドナウに沿っての旅が始まるんだよね。 私がニュルンベルクに着いた日は低く雲が垂れ込み、バイエルン第二の都市でありながら、落ち着いた街並みがいっそう際だつような雰囲気だった。もちろん、大きな街らしく商店は賑わってるし人出も多いんだけど。中央駅の前にすぐ城壁。駅前からケーニッヒ・シュトラッセ(これも歩行者専用、いいよね。)を北にずっと行くと聖ロレンツ教会、さらに行くとペグニッツ川を渡ってすぐがハウプトマルクト(中央広場)だ。ドイツの街のどこにも旧市街の中心にはこうした広場があり、いろいろな人が広場を行き交うのを見ているだけで飽きないんだよなぁ。 旧市街の一番北側にはカイザーブルク。15世紀頃現在の姿になったこの高台にあるお城。ここの塔の上から見るニュルンベルクの街並みは、この街が好きになること間違いなし、と思う。 |
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