山と森と川と . . . ドイツ・オーストリア・ハンガリー紀行
----- 1992年、二度目のヨーロッパ歩き


木組みの家が続くツェルナー通り


ツェレ、美しい木組みの家々が迎える街。
エリカシュトラッセの中でも、とりわけ旧市街の木組みの家々が並ぶ街並みが美しいので有名なツェレの街。木組みの家々といってもそれぞれが色とりどりのデザインで実にきれい。それでいて個々が妙に浮き立つこともなく全体として雰囲気があるのがいい。こういうのを見るたびに、何の秩序もなくてんでバラバラな建築物が並ぶ日本って何なのだろう... という気分になる。

旧市街の中心の通りは歩行者専用になっているツェルナー・シュトラッセ。両側はその昔、税金対策のために上の方ほどせり出すように建てられた木組みの家が続いている。その通りに並行して走る他の3〜4本の通りにも、そしてそれらをつなぐ細い通りにも、それぞれ趣のある街並みが続いて素敵だ。一番美しい木組みの家だといわれる「ホッペナーハウス」にも、そして1522年に建てられたという、旧市街で最も古い木組みの家にも、その家の歴史を記すパネルがつけられていてそこはいかにも観光地だけど、一方でそうして古い建築物が大切にされてるのが実感できる。

ツェレの中央駅から歩いたら15分くらいかかる旧市街へ入るすぐ手前にツェレ城がある。17世紀に建てられた赤い屋根に白塗りの優雅な佇まいの城館。向かって右側の塔ががルネサンス様式、左側がバロック様式、と昔の改修工事が中途半端に終わってしまってこんな格好になってしまったらしいけれど、アンバランスさが楽しい。堀が城のまわりを囲み、芝生と木々の美しい緑が市民の憩いの場所として明るい雰囲気を与えている。もちろん私みたいな旅行者のひと休みにも気持ちがいい。


ツェレ城


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