山と森と川と . . . ドイツ・オーストリア・ハンガリー紀行
----- 1992年、二度目のヨーロッパ歩き


リューネブルガーハイデ


リューネブルガー・ハイデ、エリカの絨毯の中へ。
エリカ・シュトラッセ。誰が考えたのか知らないが、リューベックからハノーファーに至るまでのいくつかの街を束ねてこのようなネーミングをしている。エリカ、って英語だとヒースだ。確かにイギリスでも車窓に薄紫色の花をつけたヒースをよく見かけたな。そのエリカが咲き乱れる大原野がここ、リューネブルクの近郊に存在する。リューネブルクに着いた日のうちにインフォメーションでリューネブルガーハイデに行く半日ツアーの申し込みを済ませておいた。原野の中には車は入れず、押し寄せる観光客向けに馬車でということになる。

それにしてもその日は寒かった。前の年に行ったスコットランドやスイスアルプスの山の上の方がよっぽど暖かかったと思うくらい。どんよりと厚い雲からは細かい雨が時折降ってくるような天気だった。リューネブルクの街からハイデの近くまでは30分くらいバスに揺られる。その後、馬車に乗り換え原野へ。ゆっくり馬が歩き出し、しばらく林の中を行くと視界が開けて、渋い薄紫色の花が広がり、その間に灌木がぽつぽつと見えるような原野に出る。曇り空の下、それはあくまでも渋い紫色だった。確かに一面にエリカが咲いている様はすごいのだけど、きっと青空の下だったら受けた印象もずいぶん違うものになったと思う。ちょっと残念だった。私が参加したツアーはたまたま2組のドイツ人家族、というか親戚同士のグループで占められていてかなり賑やかだったけれど、ちょっと身の置きどころに困ってしまうくらいだった。そういえば。今度来ることがあったら、是非天気の良いときに、と思わずにはいられない。

リューネブルクの街に戻ったら天気も回復。その日も街は賑やかで、ずいぶんとビール(リューネブルガー・ピルスだったよね。行く場所によって地元のビールがあるなんて、やっぱりドイツだなぁって実感。)を飲み、熱々のソーセージを食べたっけ。美味しかった。





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