山と森と川と . . . ドイツ・オーストリア・ハンガリー紀行
----- 1992年、二度目のヨーロッパ歩き

ホルステン門


リューベック、いにしえのハンザの繁栄を偲ぶ古都。
翌朝、前日に続いて雨の降る中、けっこうビジネスマンも目につくブレーメンの中央駅から列車に乗り込みさらに北上する。ブレーメンの外港であるブレーマーハーフェン (Bremerhaven; という地名を聞くと「サウンド・オブ・ミュージック」でトラップ大佐が護送されそうになった「任地」というのがここなんだよね。字幕では出てこないけれど、映画の英語を聞いてるとこの地名が出てくる。)を経由し、ローカル線に乗ってクックスハーフェン(Cuxhaven; これも港町だ。)車窓風景に牧草地、そして時折牛たちの姿が見受けられるのんびりした光景が続く。う〜ん、いいなあ。再びローカル線に乗り最初の目的地は木組みの家々が続く小さなシュターデの街だったが、残念ながら適当な宿は運悪く満室で、そのままリューベックまでやってきた。

「バルト海の女王」と呼ばれ、14世紀頃のハンザ同盟繁栄の中心地であったリューベック。たくさんの商人が行き交っていたであろうその街は、今はトラヴェ川の水面に赤煉瓦の倉庫が影を落とし、いかにも古都といった風情でいっぱい。旧市街には船主のギルドや商人の家々が並び、そしてゴシック様式の高い薄緑色の尖塔が空に向かって伸びる、いかにも北ドイツといった感じの教会があり、いくら歩いても飽きない渋い街並みが素敵だ。

駅から歩いていくと、車の往来が激しい通りを渡った先にまず最初に迎えてくれるのがホルステン門だ。長細い三角の帽子みたいな屋根が、なんとなくかわいらしい。マルク紙幣にも確か、この門が描かれているものがあったよね。昔は船員たちや商人たちが行き交い賑わった旧市街の広場や通りは、今は観光客に置き換わって賑やかだ。川面に映る大聖堂の姿や、教会の塔に登ってリューベックの街並みを見回せば、もうこの街が気に入らないわけがない、と思う。


リューベックの大聖堂と街並み ドイツ地図



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