山と森と川と . . . ドイツ・オーストリア・ハンガリー紀行
----- 1992年、二度目のヨーロッパ歩き


マルクト広場


ブレーメンまで
フランクフルト空港に着いたのが朝、6時前。入国手続きはイギリスのように質問されることなく、あっという間。それからまた、IC (Inter Cityとかいってドイツの優等列車)で5時間、いきなり北部ドイツのブレーメンまでやってくる。鉄道の空港駅は地下にあるのだけど、外に出たとたん朝日を浴びる南仏とは違う赤い屋根の家々が見えてくると、それでもあぁ、またヨーロッパにやってきたんだなあ、という気分になった。途中車窓に見るライン川の景色はとても良かった。まだ朝早かったので観光船の姿は見えなかったけれどのっぺらぼうな輸送船を見かける。対岸の丘の上には古城もいくつか。さらに行くとケルンではあの大きな大聖堂も車窓から一瞬眺めることができた。

列車がブレーメンに着く前あたりから外は雨模様。駅に降りたら風も強くて寒かった。ものすごく北まで来てしまったような気になったっけ。

ブレーメンというと、「ブレーメンの音楽隊」という童話のおかげで小さい頃から聞き慣れた地名だ。もっともその頃はブレーメンといったってもちろんどんなところなのか想像だにできなかったけれど。物語の中のロバとイヌとネコとおんどりとが町の音楽士になるという夢を持って目指したブレーメンは尖塔を持つ教会とレンガづくりの建物、木組みの家々が並ぶ静かな町。一方で、地方の中心としての賑やかさを併せ持つ街。石畳を濡らす雨もまた、これから旅するドイツの落ち着いた雰囲気を印象づけるのに十分だった。実際には、雨が降ったり、晴れてきたり忙しい天気だったけれど。


ブレーメンの音楽隊



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