ヨーロッパ歩き始め・91夏Le premier voyage en Europe

16.ツェルマット(Zermatt)-(4)、ハイキング日和

Matterhorn
リッフェルゼーとマッターホルン
ュトックホルンから再びゴルナーグラートへロープウェイで戻った後は、シュトックホルンでたまたま一緒だった日本のどこかの大学の先生とハイキングである。専ら緩やかな下りばかりなので、それほど苦にもならないし何よりもこんなに天気がいいのにこのまままた登山鉄道で帰ってしまうなんてもったいない。

ゴルナーグラートからは駅のすぐ下あたりをハイキングコースがのびているので、それに沿ってゆっくりと歩く。日本の山道を歩くのと違った感覚がここにある。まあ、日本でも本格的な登山もしたことがないけれど、どちらかというと私は日本では鬱蒼と茂った気持ちはいいがしっとりした森林の中の小道を歩くというような経験と記憶がほとんどだったから。ともかく、どこまでも高い峰々と青い空がのぞめる道を下ったのだった。途中、小さな湖というか池をいくつか眺めながら歩く。風がまったくなければマッターホルンの湖に映る姿が見られるということだが、気持ち良い風が吹く程度でも湖面のマッターホルンの姿はおぼろげなものになっていた。暑いくらいの太陽の光を浴びるが、やはりここはヨーロッパ。あくまでも気候は乾燥しているし、むしろ気持ちがいい。

2時間くらいだったか、ハイキングコースが再び登山鉄道と交わるリッフェルアルプの駅に並んでいるホテルのレストランで昼食にする。一緒に歩いてきた先生にどうせ貧乏旅行なんだろうからとおごってもらった。マッターホルンを眺めながら食べたチーズの料理が美味しかった。

学会に出るため移動しなければならないという、その先生と別れた後はひたすら下りである。途中で、そういえば昨日ツェルマットへ来るときに同じ列車にいたよなあ、という日本の学生がベンチのあるところで雲の出だした、でも美しいマッターホルンを休んで眺めているところに追いつく。ハイキングをしてて会ったのは日本人ばかり。日本人ってハイキングするの好きなの?それともたまたま?ともかくそれからは彼と一緒にさすがに足が棒になるくらい歩いてツェルマットの町まで戻ってきた。ヨーロッパに来て毎日ものすごく歩いているというのに、翌日はけっこう筋肉痛だった。その知り合った学生とその友達とで後で飲んだビールも美味しかった。久しぶりにずいぶん日本語でしゃべったような気がして、でも楽しかった。やっぱり自分も日本人だね。しかし、彼のことを良く覚えているのは何もここで知り合いになったからだけではなかった。旅をしている間の偶然ってけっこう印象深いもの。

白い雲がたなびくマッターホルン


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