ヨーロッパ歩き始め・91夏 Le premier voyage en Europe
10.マルセイユ(Marseille)、潮の香りする郷愁誘う地中海の港町
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マルセイユの街と港 アルルから1時間弱、列車は陽光あふれるフランス第3の都市マルセイユに到着する。駅は高台にあり、街へはまず階段を下ることになる。街自体はそれなりに大きく町中にはさすがに大きな銀行の支店やらたくさんのお店が並んでいる。9月始めの日差しはまだ強く、夏はまだ終わってないんだねえ、と改めて思い出すくらい。そうこう歩いていくうちに潮の香りがしてきてたどりつくのは旧港である。近代的な港はさらにちょっと北側にあるみたいで、ここは小さなたくさんの漁船とそれから観光客向けの船の出港場所。海鳥が飛び交い、船着き場にちゃぷちゃぷと波が打つ音がする。ずっと海のない所で暮らしてきた私にとってはこのような風景でもけっこう単純に感動する。
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ノートルダム・ドゥ・ラ・ギャルド。ここからの眺めは本当に息を飲む。港からひたすら坂道を登る。日を遮るものがほとんどなく、一気に登るとけっこう疲れる。目指す先は、Notre Dame de la Garde. 何といってもここからの眺めは最高だった。眼下にはマルセイユの町とさっきちょっとぶらぶらした旧港が、そして青い空と地中海、ちょっと目線をうつすと沖にあるイフ島。乾いた赤茶色の家々の屋根が青い空のもとでは馴染んでみえる。本当は夕方なんかに来るともっと素敵な光景が見られるという話だけど、それは果たしてあるのかないのかまたのときにしよう、ということに決めた。
さて、ブイヤベースでも食べにまた下に降りることにしよう。
11.続けてニース(Nice)、青い海とバカンス
何しろ、ここでは1枚も写真を撮っていない(ついでに調べてみたら本物の絵葉書もここからは出してなかったみたい)。思い起こすと、たまにはカメラを持って歩くのをやめようとか何故だか思ってそれを実践したのがここだったような気がする。長い海岸通り(Promenade des Anglais)を東に歩いた先の小山の上にある城の跡からみるニースの弓形に見える海岸は本当に青い海と青い空とともに南仏に来ているんだなあ、という気持ちに改めてなれて気分がいい。大粒の丸い石が敷き詰められた海岸にはやっぱりトップレスの方々がたくさんいるし、まあさすがに海岸沿いはいかにも高級そうなホテルばかり並んでいるけど、ちょっと中の方に入って旧市街まで行くと狭い道に小さなお店がたくさん並んでいたりしてなかなか楽しい。ニースには結局3日いたのだが、こんな所に(別にここじゃなくてもいいけれど)2週間も3週間もそれ以上もバカンスをとれる人たちって本当に羨ましくなる。でも、そのころは私も時間はたくさんある(ように思えた)学生だったし、今だから余計そう思ったりするのだけど。
鉄道の線路の北側にシャガール美術館がある。ちょっとした住宅地を歩いたその先にある美術館。不思議な雰囲気の彼の絵画が並んでいる。それからコンサートに使われる小さなホールの濃い青のステンドグラス。ちょっとばかり席に座って時をすごすと、不思議に落ち着いた気分になってくる。
フランスの街角で売ってるサンドイッチ(?)ってバゲットにチーズをはさんだりハムをはさんだりするものがほとんどだけど、手軽に昼食にできてしかもおいしい。やっぱり、フランスで食べるフランスパンってなんでこんなに美味しいのだろうと不思議になるくらい。ニースでもけっこう食べたなあ。
モナコ港とモンテカルロ方面の街並み 実はニースから列車で30分くらいのモナコにもちょっと足を伸ばした。といっても、カジノにも行ってないしちょっと見てきただけである。駅を降りてすぐの石段を登り詰めるとそこはモナコの王宮。丘の上なので見晴らしはとてもいい。海洋博物館の地下の水族館もきれいな地中海の(じゃないのももちろんいるけど)魚がたくさんいてとても素敵だった。あとでパリで会った日本人の専門学校生はカジノに行ったら未成年だったのがばれて入れなかったとかいってたなあ。もちろん私は入れる歳だったのだけど、なんというかやっぱりお金持ちばかりの社交場なんだろうなあ、というような思いが先立って、そういう時間はつくらないで帰ってきてしまったわけ。そのときはあまり行きたいとも思わなかったし。
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