ロンドンのビクトリア駅を午後2時半に列車は出る。良い天気だった。1時間ばかりでドーバー駅に到着。入国時はちょっとばかり質問されたが出国時にはまるで何もない。駅でもらった時刻表にはフェリーはウエスタンドックから出るようなことが書いてあったが、実際に乗ったのはバスに乗せられてついたイースタンドックだった。風が強かったためか出港が多少遅れたみたい。30分ほど遅れて出港。
デッキにいるとけっこうな風で天気が良いのに寒いくらい。海岸線の石灰岩剥き出しの印象的な白い崖を眺めているうちに船は沖合いに。今はもうこのドーバー海峡の下を鉄道が走っているんだね、そういえば。フランスに渡れば時計は1時間進む。船の中は短い航路の割にはいろいろな設備があり、もちろんDUTY FREEショップもあるが、これだけの時間では取り立ててすることもなく1時間半ほどでカレーに到着した。
船をおりると、入国審査らしき建物はあるが、中には誰もいずパスポートコントロールはまったくない。ただ他の人について歩いていったらそこは船を降りた人以外には人影のない鉄道の駅のホームで、自分の乗る列車が止まっているので車掌に切符をみせて確認して乗り込むだけ。ユーレイルパスは駅の窓口でなく車内でVALIDATEすると罰金を取られる云々ガイドブックとかに書いてあったので、駅の切符売場など一つも開いてないし大丈夫かなあ、とちょっと心配したけど車内の検札で車掌さんがVALIDATEしてくれた。
それにしても船をおりた途端、そこはフランス語の世界。ついさっきまでまわりで英語を話していたはずの人たちはどこへ行ってしまったのだろうと思うくらいで、当たり前なのだけどけっこうショック。初めて英語圏以外の国に来て、なんだかとんでもない所へ来てしまったような、ちょっと心細い気分になった。