ヨーロッパ歩き始め・91夏Le premier voyage en Europe

2.バース(Bath)、二千年の歴史の中の保養地


Britrail Pass

る程度の旅の長さなら、ヨーロッパではレイルパスを使うのが楽でいい。ロンドンのパディントン駅で、バースという町へ行くためにブリットレイルパスをValidateしてもらった。これでしばらく列車の切符を買う必要もない。もっとも、ヨーロッパで使用できる「ユーレイル」が使えないからイギリスでは別にパスを買うはめになるのだよね。イギリスの列車の費用は他のヨーロッパ諸国と比べてもけっこう高い。向こうで留学している人に聞いたらみんなバスで旅行しているよって教えてくれた。


Bath spa 風呂の語源になった(らしい)、Bathの町。ロンドンから西へ約1時間半。ディーゼルなのに意外なほど速く感じるInterCityに乗って、牛や羊がのんびり草を食んでいる風景を車窓から楽しんでいるうちにその町に着く。その昔ローマ人たちが築いた大浴場も残っている。

なぜこの町に行きたくなったのか自分でもよく分からないけれど、ロンドンからそれほど遠くなくて手軽に歩けそうなところに行きたくなったからかもしれない。

浴場跡は今は博物館になっている。曇り空のもと青緑色をしたローマンバスの水面を見ていると不思議な気分になってくる。温泉のお湯も飲ませてくれるのだがさすがに口にはあわなかった。


Bathは、確かにのんびり歩くのにはちょうどいい大きさの町だった。浴場跡を出た私は、ときおりぱらつく小雨の中、寺院やジョージ王朝の優雅な家並みの続く通りを歩きながら北へ向かう。15分くらい歩いた街のはずれあたりに三日月というか弓形にカーブした通りに面した優美な家々がある。"Royal Crescent"。どうしてこのような形につくったのかよく分からないけれど、きれいな曲線がとても美しい。そして、その前の青々した芝生の上では、どうやらクリケットの試合をやっているようだった。私はルールが分からないながらも、試合を笑い声をあげながら楽しんでいる人々をのんびりと眺めていた。

やっぱり、初めて一人で旅行に来た私のようなお上りさんが、いきなりロンドンみたいな大都会を歩いたので右も左も分からないうちに疲れてしまったのかもしれなかった。でも、こうして少しずつ自分なりの旅の形をつくっていくのかもしれない。

Royal Crescent

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